エアコンを24時間つけっぱなしにしたら?
「エアコンはつけっぱなしのほうが安い」とよく言われます。我が家は去年まで夜中の0時から朝7時まで切っていて、今年の7月から24時間つけっぱなしにしました。関西電力の1時間ごとの使用量を、同じ暑さの日どうしで比べました。2年分あわせて61日、のべ1,464時間ぶんのデータです。増えたのか減ったのか、増えたとしたらいくらか。夜と昼で正反対のことが起きていて、しかも契約しているプランによって金額が1.7倍変わりました。実際に測った数字だけで書いています。
結論:月500円増えました。安くはなりません
エアコンを24時間つけっぱなしにすると電気代が安くなる、という話をよく見ます。
我が家で実際に測ったら、増えました。
| 1日の使用量 | +0.97kWh |
| 1日の電気代 | +16.5円 |
| 月にすると | 約500円 |
ただし、これは「思ったより少ない」金額でもあります。
理由は、増えたのが単価のいちばん安い時間帯だったからです。
そして、契約しているプランによって、この金額は1.7倍ちがいます。 そこまで書きます。
我が家の条件
先に書いておきます。この数字は我が家の条件でのものです。
| 建物 | 2010年築・木造2階建て・延床88㎡(約26.5坪) |
| 地域 | 兵庫県の瀬戸内側 |
| リビングのエアコン | ダイキン18畳用(うるさらX) |
| 電気の契約 | 関西電力のオール電化プラン(時間帯で単価が変わる) |
| エアコンの設定 | 運転モードも風量も「自動」(温度は指定していません) |
| 断熱 | 2025年8月に床下断熱を実施(※2025年の対象期間のうち一部だけ施工前ですが、大半は施工後です) |
変えたのは、リビングの7時間だけです
| 去年(2025年) | 今年(2026年) | |
|---|---|---|
| リビング(1階) | 朝7時〜夜24時(24時〜7時は切る) | 24時間つけっぱなし |
※2階の寝室2部屋は、どちらの年も夜間だけの使用で、使い方は変えていません。
🔴 大事な前提:この数字は「家全体」のものです
関西電力から取れるのは、家全体の使用量です。エアコンだけを取り出して測ることはできません。
つまり、冷蔵庫・エコキュート・照明・調理なども全部入った数字です。
「エアコン以外の使い方は変えていない」とは言えますが、「差はエアコンのぶんだけ」とまでは言えません。 そこは分けて読んでください。
どうやって比べたか
電気の使用量は、その年が暑かったか涼しかったかで簡単に変わります。
なので、こうしました。
① 同じ時期どうしで比べる
比べたのは、どちらも7月中旬〜8月中旬の検針分です。
- 2025年:7月14日〜8月17日(35日)
- 2026年:7月14日〜8月16日(34日)
② 同じ暑さの日だけを抜き出す
さらに、日平均気温が28〜31℃の日だけを取り出しました。
- 2025年:29日(平均29.5℃)
- 2026年:32日(平均29.9℃)
気温の差は0.4℃です。
ただし、そろえたのは日平均気温だけです。湿度・日射・夜間だけの気温までは合わせていません。「気温の影響を完全に消した」比較ではありません。
③ 1時間ごとに見る
関西電力の使用量データは、1時間ごとに出ています。
1日の合計だけ見ていても、夜に何が起きたかは分かりません。
結果:1日1kWh、増えました
我が家の契約は、1日を3つの時間帯に分けて単価が変わるプランです。その区分で並べます。
| 2025年(夜は切る) | 2026年(24時間) | 差 | |
|---|---|---|---|
| デイタイム(平日10〜17時) | 3.16 kWh | 3.12 kWh | −0.04 |
| リビングタイム | 9.67 kWh | 9.96 kWh | +0.29 |
| ナイトタイム(23〜7時) | 6.68 kWh | 7.40 kWh | +0.72 |
| 1日の合計 | 19.50 kWh | 20.48 kWh | +0.97 |
夜に増えたぶんは、平均100Wくらいでした
増えたナイトタイムの 0.72kWh を、切っていた 7時間(0時〜7時)で割ると、こうなります。
0.72kWh ÷ 7時間 = 約103W
⚠️ これは 家全体の使用量が、前年より夜に平均103W増えていたという意味です。エアコン単体の消費電力ではありません。
18畳用のエアコンが103Wで動く、という話ではないので、そこは注意してください。
昼は、むしろ減っていました
ここがいちばん意外でした。
1時間ごとの差を並べると、はっきり分かれます。
| 時間帯 | 2026年 − 2025年 |
|---|---|
| 1時〜9時 | すべてプラス(+0.09〜+0.20 kWh) |
| 12時〜18時 | すべてマイナス(−0.01〜−0.16 kWh) |
夜に増えた一方で、昼は減っていました。 ここまでが、データで言えることです。
理由として考えられるのは、夜のあいだに室温が上がりにくくなり、朝の冷やし直しが少なくて済んだことです。
⚠️ ただし、室温もエアコンの運転状況も測っていません。 これは数字から立てた仮説であって、確かめたわけではありません。
なお、変えたのは0時〜7時ですが、増えているのは1時〜9時です。切った直後や、朝の運転の立ち上がりまで含めて影響が出ているのだと思います。
いくらになるかは、契約プランで決まります
ここが大事なところです。
同じ1kWh増えても、いつ増えたかで値段が変わります。
いま加入できるオール電化プラン(関西電力「はぴeタイムR」)
| 時間帯 | 時間 | 単価(税込) |
|---|---|---|
| デイタイム | 平日 10時〜17時 | 28.87円(夏季) |
| リビングタイム | 平日 7〜10時・17〜23時/休日 7〜23時 | 22.80円 |
| ナイトタイム | 毎日 23時〜翌7時 | 15.37円 |
増えたぶん(+0.72kWh)は、ほぼ全部ナイトタイムでした。
切っていた時間(0時〜7時)が、ちょうどナイトタイムに入っているからです。
計算するとこうなります。
デイタイム −0.04kWh × 28.87円 = −1.2円 リビングタイム +0.29kWh × 22.80円 = +6.6円 ナイトタイム +0.72kWh × 15.37円 = +11.1円 合計 +16.5円/日
1か月(30日)で 約496円です。
このプランには電化割引(5%)があるので、それを引くと 約471円になります。
時間帯で単価が変わらないプラン(関西電力「従量電灯A」)
| 単価(税込) | |
|---|---|
| 15〜120kWh | 20.21円 |
| 120〜300kWh | 25.61円 |
| 300kWh超 | 28.59円 |
夏にエアコンを使う家庭は、月の使用量が300kWhを超えることが多いです。そこで、いちばん高い第3段階(300kWh超)の単価で計算します。
追加の1kWhは28.59円です。
+0.97kWh × 28.59円 = +27.7円/日
1か月で 約832円になります。
まとめると
| プラン | 1日 | 1か月 | 賦課金込み |
|---|---|---|---|
| オール電化プラン(電化割引あり) | +15.7円 | 約471円 | 約593円 |
| オール電化プラン(割引なし) | +16.5円 | 約496円 | 約618円 |
| 従量電灯A(月300kWh超) | +27.7円 | 約832円 | 約954円 |
※再エネ賦課金は 1kWhあたり4.18円。増えたぶん(0.97kWh × 30日 = 29.1kWh)で 約122円です。
同じことをしても、プランによって1.7倍ちがいます。
夜の単価が安いプランなら傷が浅く、そうでないなら、そのぶん高くつきます。
実際に暮らしてみて
いちばん変わったのは、朝でした。
去年は、起きてエアコンをつけてから効くまでの時間がありました。今年はそれがありません。
しかも、1階全体がうっすら涼しいまま朝になります。正直、かなり快適です。
データのほうでも、夜は増えて昼は減るという動きが出ています。
ただし、朝の快適さは数字ではありません。 実際に暮らしてみて感じた変化です。そこは分けて書いておきます。
正直に書いておきたいこと
① 設定温度は指定していません
我が家は運転モードも風量も「自動」にしているだけで、温度を指定していません。
なので、「何度に設定すればいくら」という比較はできていません。 温度を決めて使っている方だと、結果は変わると思います。
② これは「我が家の1kWh」です
建物・地域・エアコン・部屋の広さが違えば、増える量そのものが変わります。
断熱が弱い家なら、夜通し冷やすのにもっと電気が要ります。
上の表は「1日1kWh増えたら、プランごとにいくらか」という計算です。 ご自分の家で測るのがいちばん確実です。
よくある質問
Q. つけっぱなしのほうが安いって聞きましたが? A. 我が家では増えました。ただし増え方は小さく、月500円ほどです。「安くなる」と「思ったより増えない」は別の話だと思います。
Q. 自分の家でも測れますか? A. 電力会社のWebサービスで、1時間ごとの使用量が見られる場合があります。関西電力なら「はぴeみる電」です。同じくらいの気温の日どうしを比べるのがコツです。
Q. 何日ぶんのデータですか? A. 気温をそろえたあとで、2025年が29日、2026年が32日。2年分を合わせて61日です。1時間ごとのデータなので、合計するとのべ1,464時間ぶんになります。
Q. 2階の部屋はどうしていましたか? A. 2部屋とも、寝るときだけの使用です。去年も今年も同じなので、差はリビングのぶんだけになります。
Q. 冬はどうですか? A. この記事は夏だけです。冬は暖房なので、別に測る必要があります。
まとめ
| 変えたこと | リビングの0時〜7時を、切る → つけっぱなし(他は変えていない) |
| 使用量 | 1日 +0.97kWh |
| オール電化プランなら | 月 約471〜496円 |
| 従量電灯Aなら | 月 約832円 |
| 夜のエアコン | 平均約103Wで回っていた |
| 増えた場所 | ほぼ全部がナイトタイム(単価15.37円) |
| 減った場所 | 昼(朝に冷やし直す必要がなくなった) |
エアコンのつけっぱなしは、安くはなりませんでした。
ただ、増えるのは単価の安い夜だけなので、思ったより高くつきません。
我が家の場合、月500円で「朝、エアコンが効くまでの時間」が無くなりました。 そこを高いと見るか安いと見るかは、人によると思います。
そして、同じことをしても、契約プランによって金額は1.7倍ちがいます。 まずは自分の契約が、時間帯で単価が変わるものかどうかを見てみてください。